ソル(SOL) シリーズ

ソルコイン 西方ローマ帝国全土での発行

  ソル (Sol)は、ローマ神話の太陽神でギリシャ神話のヘリオスと同一視されています。アポロンやミトラスなどの別の太陽神と習合し、主神の様に篤く信仰されました。
特にアウレリアヌス帝がパルミュラの女王ゼノビアとの戦いにおいてミトラス教のソル・インヴィクトゥス(Sol Invictus不敗の太陽神)のご加護を受け勝利したことからそれ以降ローマ帝国では、313年のミラノ勅令発布後も392年テオドシウス大帝がキリスト教を国教とするまで太陽神ソルが国教とされます。
コンスタンティヌス大帝の前半の治世においてローマ帝国8拠点でSOLが描かれたコインがシリーズもののようにいろいろな大帝の肖像で発行されコレクターの間で人気コインのひとつとなっています。
ギボン説によれば大帝は274年生まれ。レジェンドSOLI INVICTO COMITIのコイン製造がほぼ廃止されたのが318年頃ですから43歳の頃までキリスト教勢力の圧力を受けながらもローマ皇帝としての宗教儀式は継続していたと言えそうです。このころまで帝は、他の神々を排除する意思はなく各々が信仰する神は現在と同様に自由に認められべきだと考えていたようです。
帝国統一の野望に満ち溢れていた頃はソルへの篤く崇高な思いをギリシア・ローマ神話に登場するアポロン(太陽神)を祭るアポロン神殿の再興に見ることができます。
しかし、しだいにキリスト教勢力に屈していく証拠クリスチャンモノグラムをこの時期(310年代)以降ごく僅かなコインの中にですがそれを確認することができるようになります。
政治的な妥協の産物がローマ帝国の運営儀式を催すことすら困難にしてしまうとはコンスタンティヌス帝は想像すらしていなかったことでしょう。





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