お宝探求 <1> お宝発掘への第一歩

    古代ローマコインのコレクション世界は欧米、オーストラリア、カナダ(基本的にはキリスト教世界)で繰り広げられています。アジア・アフリカではローマコインの香りはしてきません。情報が枯渇しているためか皇帝別に収集する道しか残されていないようです。
    そこで
    次のような項目がコレクティングを進める上で役立つ情報ではないかと考えております。
    レアコインの獲得時の支えには
     ・カタログ情報の理解
     ・レアリティのギャップ差がどれくらいなのか
     例えばRIC第6巻と7巻では
     ・カタログ未登録コインの存在。

    それでは
    凡例による実践力アップを進めていくこととします。
    範囲を次のような絞りこみをかけてトライします。
    RIC第6巻と7巻でカタログ比較検証>コンスタンティヌス帝>Mintトリーア> 裏面レジェンド:SOLI INVICT COMITI

    ソル(Sol)シリーズを極めればRICカタログ第6〜8巻(ディオクレティアヌス〜ユリアヌスII世)に収録されているコインを本格的に識別する知識を得、本格的な分析力アップ につなげられるのではないかと判断しております。
    コレクターとして
    なぜこのコインが高くなるのか。と疑問に思うだけで投資に踏み切る勇気がわいてこないのは仕方ありません。世界中でどれくらいの量が流通しているのかと想像できるだけの情報に欠けるからです。
    ここでは
    識別が一番困難なトリーア発行を取り上げることとします。
    313年前後に発行されたこの領域のコインを確実に評価分析できる大手ディーラー、ショップのヌミスマティストを調査しました。その分析に力を発揮した痕跡を確認できたお店は今のところ1社です。
    英国ディーラーでVcoins ShopオーナーであるROMAです。所属するヌミスマティストの方すべてではないのですが力を発揮されておられる方がおられます。しかし同じお店なのに明らかに第6巻に属するものを第7巻に属すると判断されているコインもあります。第7巻に属する方がレアリティが高いからです。
    ほかではフランスのディーラーであるCGBに所属するヌミスナティストに可能性があるのではないでしょうか。
    コンスタンティヌス帝の支配下地域では新貨幣制度導入によって
    313年を境に各造幣名所でその影響を受けたことを窺わせるコインが発行されています。
    RIC第6巻と7巻を明確に分けるには材料が乏しいことから移行期として313年発行が重なるような形で編集されています。
    リキニウス帝の支配下地域ではテトラルキアのFollisの条件を色濃く残すコインが313年から数年残されています。アレクサンドリア、アンティオコスでは明らかに313年から数年変更されていないようです。
    世界のヌミスマティストがこの時期のコインをFollis、AE3、AEと呼ぶのはそのためです。Follisらしさが消滅するのはリキニウス帝が敗北する324年が目安になるのではないでしょうか。