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お宝探求 <5> CampGateシリーズ 概要編
(1)テトラルキア期に始まるCampGate
キャンプゲイトのコインはテトラルキア期に高級コインで開始されています。コンスタンティヌス帝の治世を迎えると異民族対策に真剣に取り組んでいることをローマ帝国民へ知らせるためのプロパガンダコインとして大量にブロンズコイン(AE3)で鋳造されます。
コンスタンティヌス帝の治世以降では、帝国の衰退とともに国防の意識が薄れウァレンティニアヌスII世,テオドシウス朝でごくわずかにAE4で発行されているのを確認できるぐらいです。
テトラルキア期のキャンプゲイトは
金貨:アウレウス,銀貨:アルゲンテウスが発行されていることからローマ帝国民への宣伝というより帝国内の組織向けと考えられます。
コンスタンティヌス帝の治世の
キャンプゲイトシリーズ詳細は こちらへ
同じ防御という観点の位置づけにおいてローマ帝国では1〜3世紀に属州を中心にシティゲイト(city gate)が建造されています。
ディオクレティアヌス帝が開始したキャンプゲイトの主旨とは少し異なり街全体を防御することが目的です。
シティゲイト(city gate)の建造物としては現在もその姿全体をとどめる代表的なものとしてはドイツ、トリーア市のポルタ・ニグラが有名です。
@テトラルキア期のキャンプゲイトはマクシミヌス・ダイアがキュジコスで発行したブロンズコインを除けば材質は銀であるアルゲンティウスでほとんどが発行されています。
アルゲンティウスの中でもセウェルスII世,マクシミヌス・ダイア帝,コンスタンティヌス帝のコインの一部に人気の高いレアものが存在します。
Goldコインの登録はローマ,ティキヌムMintのみです。
この2種類の金属は現在の投資対象とみなされ程よい状態であれば高額で取引きされています。
特にGoldは希少で見かけることはとても少ないコインです。出品量はこの10年で5枚前後あったかどうかでしょう。
Aコンスタンティヌス帝の治世に発行されたキャンプゲイトは17箇所中15箇所の造幣所により発行されていることを考えるといかに皇帝がその重要性を認識していたかを推し量ることができます。
コレクターにとって人気の高い順位は
ローマMint>キュジコスMint>アンティオキア,アルルMint
市場流通量が極めて少ないMintは
コンスタンティノープル、シルミウム,アレクサンドリアMintです。 上記の中でレアリティが非常に高いものはさらに入手が困難になるというのは言うまでもありません。
2014年4月現在、1番人気のローマMintの318-319年に発行されたCampGateは普通1年の中で数枚市場で確認できればいい方のレアコインです。(クオリティを考慮しない場合でも)
2009/10-2010/12にかけてVauctionsにおいてBeastCoinsのオーナーZach Beasley氏が出品され売却されたのがこれまでで一番多く確認した例です。これだけの質・量を伴うものは今後これを入手した方が売却しない限り厳しいのではないかと思わせる品揃えでした。
ロンドン、リヨンMintのコインは米国市場では比較的に流通量が少ないことからレアのように見えますがヨーロッパ市場で程よいものを見つけることが可能です。
キュジコスやアンティオキアMintのコインはサンド質の土壌から発掘される確立が多いようです。
ヨーロッパの発掘のコインは、つぼの中に保管されていることが多いことから時折保存状態が良い場合にFDC並の品質で発掘されることがあります。